ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

今年度は「本気」でネットを活用!Eコマース戦略概論。その6【no.1317】

前回はこちら

 前回は<4.BtoBのネット活用>について解説をしました。WEBサイトは生き物ですから、当然BtoBのネット活用においても定期的な更新を心がけることが大切です。BtoBのビジネスはBtoCのような「衝動買い」がありません。お客様はあなたの会社をしっかり見ていますから、BtoCよりも実は「情報発信」が重要だとも言えます。5回目は<5.差別化、付加価値の考え方>です。

<5.差別化、付加価値の考え方>

*「違い」がなければ、見つけてさえもらえない時代。

 ネットショップの数は増え続けています。一部の大手企業やネットに積極的な中小企業だけではなく、一般的な中小企業、零細企業、はたまた老若男女個人でさえ参入する時代ですから、「買いたい人」より「売りたい人」が多い時代になるのは致し方ありません。さらにいえばインターネットは全国大会です。基本的に1番が圧倒的に有利、2番手以降には出る幕のない世界です。

 ネットにもたくさんの情報が散乱しています。ネットショップやホームページを立ち上げても、競合が多くなかなか自社のWEBサイトまでお客様にたどりついてもらえません。これまでは「違い」がなければ「選んでもらえない」時代でした。これからは「違い」がなければその存在さえお客様に見つけてもらえない時代です。

*商品がつくれるか、つくれないか。

 全国大会であるEコマースの市場の中で、「違い」「差別性」「付加価値」をつくるポイントのひとつは自社で商品をつくることができるか、できないかというところでしょう。自社で製造工場を持ち、自社の企画で商品を開発することができる。または繋がりの強い工場があり、自社の商品独自企画をストレスなく回すことができる。こういった会社は商品企画により「違い」をつくることができます。

 ネット上で分が悪いのは「仕入れて売る」小売りのEコマースです。卸さん、問屋さんもひとつの会社だけに商品を出しているわけではないですから、どうしてもインターネット上での競合性が高くなります。価格競争、サービス競争に陥りやすいのはこのパターンです。ただ「付加価値」をつくれないかというと必ずしもそうではありません。

*「小売り」Eコマースのふたつの方向性。

 小売りのEコマース事業者はネット上でたしかに分が悪いものの、「勝てるポイント」がないわけではありません。お客様に近い商売をしているからこそ「どういったものを仕入れれば良いか」「どういったものが売れているか」の感覚は優れているはずです。この「小売りの商売勘」を活かして、商材開拓や商品仕入れを最速で回していったり、蓄積しているノウハウやデータ、経験値から既存の商品を「もっと売れる商品に変える」自社だけのOEM化を図っていくことができると思います。

 また、もうひとつはメディア化です。「小売り」のEコマースはどうしても競合他店が出てきてしまいがちですから、「勝負のポイント=お客様に選んでもらえるポイント」を他につくることが必要になってきます。お客様が欲しいのは「商品」だけではありません。「情報」も欲しいのです。こちらも「小売りの商売勘」を活かして、「お客様がどんな情報を欲しがっているか」蓄積しているノウハウやデータをインターネット上に「情報発信」するのが良さそうです。自社のEコマースをメディア化していくのです。

 ―――では次回の6回目は、<6.商品企画の考え方>について解説をしていきます。

 つづきはこちら。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。