著者:石田 麻琴

転換率(コンバージョン率)とははたして何者なのか?その1【no.1612】

 「転換率(コンバージョン率)」について考えていきたいと思います。ECMJコラムでは過去に何度か転換率について書いているのですが、やはりインターネットビジネスを展開する以上切り話せない課題なので改めて。

*転換率(コンバージョン率)とはなにか?

 転換率とはアクセス数に対して商品が売れる確率です。ショッピングモールを軸にしたEコマースの世界では「転換率」という言葉が一般的で、自社サイトやインターネット広告を軸にしたEコマースの世界では「コンバージョン率」と表現されるのが一般的な印象があります。コンバージョンとは「転換」を意味する言葉なので正しくは「コンバージョン率」なのですが、略して「コンバージョン」と言っている人も多いですね。まあ、一緒の意味です。

 計算式としては「受注件数÷アクセス数」で計算されます。受注件数が100件、アクセス数が1万アクセスだとしたら「100÷10,000=0.01」ということで転換率は「1%」です。「うちのネットショップの転換率は1%です」みたいな感じで会話がなされるわけです。

 ちなみに受注件数は「注文件数」「買い物かご数」などという言葉でも表現されます。もちろん一緒の意味です。実店舗を運営している会社さんだとわかりやすいのが「POSレジのレシート番号」です。お客様がレジにお会計にきた数がEコマースでいう「受注件数」ということになります。注意が必要なのは、「受注個数」ではないことです。お客様が1度の決済で10個商品を購入したとしても、受注件数は「1件」になります。

 もうひとつ「アクセス数」についても定義をしておいた方がわかりやすいかもしれません。微妙なニュアンスの言葉がいくつかあってわかりづらいのですが「アクセス数」とは、ネットショップにアクセスしたお客様の「のべ人数」のことです。同じお客様が1日に2度、ネットショップにアクセスしたならば「アクセス数」は「2」です。Googleアナリティクス上での「セッション数」と定義が一緒になります。こちらは「UU数(ユニークユーザ数)」とは異なるので注意をしておいてください。

*転換率(コンバージョン率)を考えるときの落とし穴

 「うちのネットショップの転換率は●%なんですが、これって正常でしょうか。それとも低いのでしょうか」という質問を受けることがあります。自社のネットショップの状態が良いのか悪いのか心配する気持ちは非常によくわかるのですが、この質問はEコマースの専門家であれども「なんとも言えない」というのが本当のところです。(ありえるとすれば、とんでもなく低い場合は「これは低すぎます」と言えますが・・)

  転換率の数字を伺って、それだけでは「なんとも言えない」理由はふたつあります。ここから詳しく解説していきますが、今日のところはこのふたつは何かだけを紹介していきましょう。

 ひとつは、ネットショップで取り扱っている商材、ネットショップの運営方法、ネットショップの制作レベル、更新頻度、広告掲載などのマーケティング施策、などによってネットショップの転換率は変わるからです。インターネット上にある他のネットショップとの比較がとてもしずらいのはこの理由になります。

 もうひとつは、転換率は「割り算」で計算されるデータ項目である点です。前述したとおり、転換率の計算式は「受注件数÷アクセス数」です。「割り算」で算出されるということは、分母と分子の動き方によって数値が変わってくるということなんですね。転換率が下がったとしても、アクセス数が爆増しているなんてケースもあるわけです。アクセス数や受注件数などであれば「多ければ良い」という判断もできますが、転換率って「高いから良い」とは一概にいえないんですね。