著者:石田 麻琴

もっとも投資対効果が高いのは「人への投資(=人材育成)」【no.1814】

 中長期的にみたときに「人への投資(=人材育成)」がもっとも投資対効果が高いと思うんですね。短期的にみても人材育成がもっとも投資対効果が高いかもしれません。今回のECMJコラムでは過去の経験をご紹介します。

*入社3日目で楽天カンファレンスに投入される

 私の唯一のサラリーマン時代は前職のEコマース事業をおこなっているベンチャー企業で働いていたときのことです。20名程の小さな会社でしたので、唯一の上司は社長でした。

 入社したのは2005年の忘れもしない7月19日。その日は特別な日でもなんでもなく、初出社の日になったのは単に月曜日だからでした。内定式があったわけでもなく、入社式があったわけでもない。24歳でフリーターだった社会人未経験の私は、特になんでもない日に注目されるわけでもなく社会人をスタートさせたわけですが、入社日の翌々日が株式会社楽天の「楽天カンファレンス」でした。

 「楽天カンファレンス」は楽天市場の出店者向けのイベント(たしか当時は東京と大阪の開催しかなかった)で、全国から様々なネットショップ出店者が集まってきます。社長は入社3日目の私を楽天カンファレンスにぶち込み、「いろんな人と話してみなよ」と。

 前職の会社が運営するネットショップは楽天のSOY(年間表彰のようなもの)を受賞していたので、いろんなネットショップの方から話しかけられます。「いやー、実は僕、一昨日入社したばかりなんで全然わかんないんですけどー」とか言いながら、慣れない名刺交換をしてEコマースのことを自分から聞いていました。

*入社3か月でEコマース経営者の会に投入される

 入社して3か月くらいした秋口のある日、社長が「まこっちゃんって、麻雀できる?」と話しかけてきました。ルールは知っているし、できるっちゃできるけど、点数計算はできない、くらい。「今週末さー、御徒町でEコマースの経営者仲間が麻雀大会やるから行ってきなよ」というのです。まあ、会社の顔もあるだろうし、土曜でしたが渋々OKしました。

 行ってみると、メディアに顔が出ているEコマース事業経営者の方ばかり。ただこの時代は(いまも結構そうだけど)「面白ければみんな仲間」という雰囲気が強く、「へー、関口君のところの新人なんだー、仲良くしようねー」みたいな感じで話しかけてくれます。この日は麻雀の調子もなぜか良く、参加者20名の中でなんと第4位。「麻雀が上手い子がいる」と早々に名前をおぼえてもらうことができました。

 先に書いた入社3日目で参加した楽天カンファレンスで初めてご挨拶した皆さん、入社3か月目での麻雀大会に参加して遊んだ皆さん、15年弱経ちますがいまだに繋がってるし、一緒に勉強したり情報交換したりしてるんですよね。自分のそして自社の最大の資産のひとつだと思っています。

*会社を辞める前に社長に聞くと・・

 前職の社長はマネージャーや経営者だけが集まる場に社員をどんどんぶち込んでいくところがありました。入社3日目の楽天カンファレンスしかり、入社3か月目の麻雀大会しかり、ECMJコラムで何度か書いていますが、私が入社半年で新卒採用担当になったのも社長のぶち込みでした。そのときは「普通のことかな?」と思っていたのですが、実は何百万か予算がかかっていたのでありえないことでしょう。

 で、2011年に前職の会社を辞める前に社長と食事に行って聞いたんですよね。「なんで、あんなに荷が重いタイミングでいろんな会に行かせたり、仕事の担当を任せたりしたんですか」って。そしたら返ってきたのが「人への投資が一番投資対効果がいいから。リスクはかけた分だけの金額、時間のコスト。だけど、リターンは無限大だから」という言葉でした。

 当時はわかるようなわからないような、という感じだったのですが、いまECMJの仕事をしてみて「たしかに」とはっきり理解できます。