著者:石田 麻琴

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。40【no.1928】

 前回コラム(no.1927)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「定例のマーケティング会議の開催のポイント」についてご紹介しました。今回はひとまずシリーズの最終回ということで「Eコマース事業成長の方向性」についてお話します。

 前回のコラムまで、ゼロからいかにEコマース事業に取り組んでいくか。事業規模・事業フェイズごとの課題と、あらゆるフェイズにおいて押さえておくべきマーケティングの原理原則・作法の両面からEコマース事業の成長について紹介してきました。また、マーケティングの定例会議の開催や社内評価の見直しなど、組織としてEコマース事業を進めるためのポイントにも触れてきました。約5か月にわたって長々と書いてしまったので、私自身何を書いて何を書いていないかがわからなくなってしまい(汗)今回がひとまずの最終回です。最終回はEコマース事業成長の方向性についてです。

 みなさんはEコマース事業をスタートするとき、将来的にどれくらいの事業規模を想定してビジネスを設計していくでしょうか。期待値でも構いませんし、絶対に達成したい規模感でも構いません。ここは会社さんや経営者の考え方によって様々な意見があると思いますが、まず指標にしたいのは年商10億円ではないかと思います。年商10億円という規模感は中小企業のEコマース事業者にとってひとつの目標値になるのではないかと。

 年商10億円についてもう少し因数分解をしていきましょう。年商10億円は月商にすると約8,000万円です。日商だと約300万円。客単価が1万円のネットショップであれば1日に300件の注文が入ることになりますし、客単価が5,000円のネットショップであれば1日の注文は600件です。インターネット広告を活用した際や、メディアに自社の商品が紹介された際に1日300件、600件の注文を受けたことがある事業者の方も多いのではないでしょうか。その状態が毎日つづくイメージです。

 1日300件の注文を受けるためのアクセスと転換率(コンバージョン率)の目安です。転換率が5%のネットショップであれば6,000アクセスで300件の注文を実現できます。転換率が3%であれば10,000アクセスです。意外と多くない感じがしてこないでしょうか。場合によっては、年商10億円の半分や1/3程度まで指標が到達している事業者の方もいらっしゃると思います。年商10億円はそれほど遠い数字ではないのです。

 美容や食品、ガジェット系の商材など、単品をひたすら売り続けられるモデルのEコマース事業では、ひとつのヒット商品を生み出すことができれば、年商10億円に到達するケースもありえます。もちろん商品ページでの提案力の強化やインターネット広告の活用による集客戦略は必須になりますが、ヒット商品1商品を生み出せばいいのです。もちろん簡単なことではありませんが、ヒット商品を2商品3商品と多数生み出すわけではないと思うと気持ちが楽になると思います。徹底が大事です。

 ファッションや雑貨、ベビーなど多くのSKUが必要になる商材の場合、お客様の趣味嗜好の多様性が広いので特定のターゲットに絞ったネットショップを複数つくることが重要になります。ネットショップ1店舗、1ブランドで年商10億円を達成するのではなく、年商2億円(月商2,000万円)のネットショップを5つ、5ブランド立ち上げることで年商10億円を達成するイメージです。もしすでに自社のネットショップが年商2億円規模に到達しているならば、新しいブランドを立ち上げてみるのも良いかもしれません。

 年商10億円は市場に合わせて自分たちを変化させることができればけっして無理な事業規模ではありません。まずは年商10億円を目指しましょう。