ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!EC成長の法則。40【no.1928】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1927)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!EC成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「定例のマーケティング会議の開催のポイント」についてご紹介しました。今回はひとまずシリーズの最終回ということで「EC事業成長の方向性」についてお話します。

 前回のコラムまで、ゼロからいかにEC事業に取り組んでいくか。事業規模・事業フェイズごとの課題。あらゆるフェイズにおいて押さえておくべきマーケティングの原理原則・作法。両面からEC事業の成長について紹介してきました。また、定例会議の開催や社内評価など、組織のポイントにも触れてきました。今回がひとまずの最終回です。最終回はEC事業成長の方向性についてです。

まず指標にしたいのは年商10億円

 EC事業をスタートするとき、どれくらいの事業規模を想定するでしょうか。期待値でも構いませんし、絶対に達成したい規模感でも構いません。ここは会社さんや経営者の考え方によって様々な意見があると思いますが、まず指標にしたいのは年商10億円ではないかと思います。年商10億円という規模感が中小EC事業者にとってひとつの目標値になるのではないかと。

 もう少し因数分解をしていきましょう。年商10億円は月商にすると約8,000万円です。日商だと約300万円。客単価が1万円のショップであれば1日に300件の注文が入ることになります。客単価が5,000円のオンラインショップであれば1日の注文は600件です。インターネット広告を活用した際や、メディアに自社の商品が紹介された際に1日300件、600件の注文を受けたことがある事業者の方も多いのではないでしょうか。その状態が毎日つづくイメージです。

年商10億円は遠い数字ではない

 1日300件の注文を受けるためのアクセスと転換率(コンバージョン率)の目安です。転換率が5%のオンラインショップであれば6,000アクセスで300件の注文を実現できます。転換率が3%であれば10,000アクセスです。意外と多くない感じがしてこないでしょうか。年商10億円の半分や1/3程度まで到達している事業者の方もいると思います。年商10億円はそれほど遠い数字ではないのです。

 美容や食品、ガジェット系の商材など、単品をひたすら売り続けられるモデルのEC事業では、ひとつのヒット商品が生まれれば年商10億円に到達するケースもありえます。もちろん提案力の強化や集客戦略は必須になりますが1商品生み出せばいいのです。ヒット商品を多数生み出すわけではないと思うと気持ちが楽になると思います。

まずは年商10億円を目指す

 ファッションや雑貨、ベビーなど多くのSKUが必要になる商材の場合、お客様の趣味嗜好の多様性が広いので特定のターゲットに絞ったオンラインショップを複数つくることが重要になります。オンラインショップ1店舗、1ブランドで年商10億円を達成するのではなく、年商2億円(月商2,000万円)のオンラインショップを5つ、5ブランド立ち上げることで年商10億円を達成するイメージです。もしすでに自社のオンラインショップが年商2億円規模に到達しているならば、新しいブランドを立ち上げてみるのも良いかもしれません。

 年商10億円は市場に合わせて自分たちを変化させることができればけっして無理な事業規模ではありません。まずは年商10億円を目指しましょう。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。